#77 クライアントの目線、要望(アドバイザリー/コンサルティング)

会計士のメイン業務の1つにアドバイザリー(コンサルティング)があります。
受験生や若手の会計士でもここに興味がある方は多いでしょう。
私も監査法人時代数年間、現在もフリーランスの立場で複数関与させていただいていますが、監査とも(きっと税務とも)違った楽しさ難しさがあります。

さて監査法人時代、大変お世話になっていたクライアントに他のコンサル会社が入っていたことがあったのですが、その時に仲良くさせてもらっていた経理の方との会話で今でも覚えていることがあります。
その方は誠実実直(私利私欲の腹黒さは全然感じない)&大変頭が切れる方でしたので、私は疑うことなく心に刻んでいます。

題して「クライアントの目線、要望」

自分も思われていて何ら不思議じゃないです。
今日はこれを振り返ってみます。

※なお、アドバイザリーとコンサルはここでは同じ意味合いとします。また非監査クライアントへの業務を前提にします(独立性云々となると話が変わってきますので)。

要求が高くて当然

まずはこの言葉。

会社からしたら従業員を雇うよりはるかに高い金を出している。要求が高くて当然。

アドバイザリーは基本ワンショット(目的が達成したら終了)業務ですし、相手のニーズにより突然スタートするなど、どこか水商売っぽい性質を帯びています。故に高単価なのはビジネスモデルとして当然です。
ファームやサービスによって異なりますが、単価は従業員の数倍以上。
監査と比較してもより高めになります。

発注側も理解はしているけども、かと思います。
一方で会社側に明確な目的やプロジェクトがある場合が通例で、目玉である場合も多い。
失敗もできないでしょう。
「カネ=価値=期待値」と考えれば、その通りと言えるかもしれませんね。

解答案、根拠、効果、他社比較、結論の提案

具体的には以下の言葉が心に残っています。

自分たちで解答を出せないからコンサルに入ってもらってるわけで、最終意思決定をしてくれとは言わないまでも、それを行えるだけの提案は期待している。意思決定の材料としては、複数の解答案と各根拠、効果(メリットデメリット)、他社比較。客観的に見た場合の会社最適の解。そして暫定でも会社に合うだろう結論の提案。結論も提示せず「後は考えてください」は正直物足りないですね。

このメッセージ、キーワードは以下でしょうか。

・解答案 → 提示(提案)
・各根拠(メリデメ、他社比較、客観性)

特に私が経験上思うのは、「他社がどうしているのか?」の興味が高い。

「理屈正しくてもやり過ぎでは?いい塩梅の事例はないだろうか?」
「ウチだけ仲間外れになってないか?」

理屈以外の点が気になる所が日本っぽい。
でも会社内ではそれを中々知り得ません。
一方で我々は事例やノウハウを持っている。

ここに1つの価値があるのだと思います。

こうやって考えると「守秘義務」というのはすごく大切だと思います。
固有名詞等で語り過ぎると信頼を失う。逆に固くなり過ぎたら価値が出ない。
反しない範囲で提示することは大変意味のある事だと考えます。

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