#87 新たなキャリアへの転身へ①:現環境でどこまで経験を積めば十分か?

新たなキャリアへの転身は悩みだらけ

3月決算の第3四半期も終了し、2月も後半に入ってきました。
期末監査まで残り1か月半。
会計士は「春の足音が聞こえる=忙しさが増す」というのは古今東西変わらないですね。

さて、監査法人は業務柄年度の変わり目が6月末で、人材流動もこの時期が最も多いです。
4月5月はあっという間に時が流れて6月になってしまうので、2月3月は自らの人事意思決定のピーク時期でしょう。
時期柄悩んでいる方も多いのではないでしょうか。私自身も昨年は色々考えていましたね。

そこで新たなキャリアへの転身(転職独立に限らず、異動や出向も含めて)について幾つかの切り口で書いてみたいと思います。

今回は「現環境でどこまで経験を積めば十分か?」という切り口から。

先にお断りしておきますが、監査法人の退職を推進している訳ではありません。
そこはお履き違えのないようお願い致します。

若手に多そうな、現環境での経験度合いの納得感

ご承知の通り、監査法人では色々な業務を経験できます。
まずは監査。これ自体広範囲な企業が対象で、例えば業種、規模は多岐に渡ります。
またサービスラインも広範囲。法人説明会で、金融や国際やIPOや公会計やアドバイザリーやら・・・たくさん聞いたと思います。
そこに加えて、各職階で発揮されるソフトスキル。チームマネジメントや提案などのアウトプットスキル、交渉などのコミュニケーションスキルなど。。。

ふぅ、この時点でお腹いっぱいです(笑)
全部モノにするのにどれだけの時間が必要?
大変時間がかかりそうな事だけは分かりました。

ところで、こんな思いと会話、あるのでは?
例えばこんなの。
悩める若手会計士Yくんと、上司Sさんの会話。

Yくん:『そろそろ次のキャリアを考えてしまうなぁ。監査は5年経験したけども、もっと色々経験した方がいいのかな。あの業務もあのサービスラインも未経験だし。。。ちょっと相談してみようかな。』
Sさん:「そうか、Yくんは勤めて5年で今はシニア2年目か。監査法人は多くの業務経験ができるし、Yくんもまだまだ経験できることがたくさんある。年齢も若いし、転身するにしても、他の業務も含め十分に経験してからの方がいいよ。
Yくん:『やっぱそうかぁ。確かに十分な経験を積んだかと言われると自信はないなぁ。。。ん?でも十分な経験っていつになったら達成するんだろう?その間に年齢も重なっていくし。どうしたらいいんだろう・・・』

結局どこがゴールで何がベストなのか。
経験は唯一無二の価値があるのだとしても、その形成はどのようにするのが良いのか?

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