#4 会計士は独立し易い職業(資格)その2

前回の続きです。

2.時間的余裕について

まずは「時間的余裕」から行きます。
金銭的余裕が時間的余裕に最も好影響だと思いますので、この点以外で考えを書きます。

【2-1. 会計士協会の存在】
これは他の士業でも同様なのかもしれませんが、協会は互助という点で非常に貴重な存在だと思います。

  1. 知識や品質の観点
    協会のHPには、各業務に関する資料や情報が数多く掲載されていて、専門知識の充実や業務品質の維持を図れます(この点は大手法人在籍時には感じにくかった点です)。
    無駄な時間を抑えて業務を行える点は時間的余裕を与えます。
    また、協会には様々な部会(会計、監査、税務、経営etc…)があり、そこに委員として所属して活動することは、自己研鑽として実践的な場にもなると思います。
    この辺は会費負担というコストがあるからでもありますが・・・
  2. オポチュニティの観点
    協会には多くのかつ多様なバックボーンを持った会計士が出入りしています。
    無形物を扱い、情報のユニーク性が高い仕事がゆえに、横の繋がりは業務機会においてプラスに働きやすいと思います。
    僅かであっても精神的安定性をもたらし得ると思います。
    (仕事の紹介が直接的な目的ではないので、そこは履き違えてはいけません)

以上、時間的余裕というディフェンスに加え、業務機会という弱いながらオフェンス面もあると思います。
守りをきっちり固めつつ、じっくり攻める戦法のイメージですね。

3.その他

最後は精神論というか、私の願いみたいになっていて微妙ですが、
「素養、姿勢」を挙げます。
やはり会計士試験に勉学で通過してきている点を敢えて挙げたい。
ほとんどの人が年単位で勉強に多くの時間を費やし試験パスしてきているはず。
その経験が価値あるものだと。
腐りさえしなければ、素養と姿勢は既に保持されていると私は信じています。
また、未経験でも冷や汗流しながらもこなしてきた経験(そんな大それたものでなくても)や、
見様見真似であっても必死に取り組んだり調べる癖がついていれば、新たな壁をまた超えられるはずです。

まとめ

つまり、会計士業務は、ディフェンスとオフェンス両方の仕事を行うスキルと機会が一定程度確保されている。
それは、監査業務を中心にした金銭的ディフェンス面とそれがもたらす時間的余裕があるとも言い換えられます。

将来キャリアを考える際に「そもそもこの後やっていけるか?」という問題に当たったとしても大丈夫でしょう。
なぜか?
監査があるから。
健康でさえいれば、働き方や収入に過度な希望を抱かなければ、帰る場所があります。

なお、本来他にも考慮すべき要素は多々あります。
AIで現行業務が失われる可能性や、能力開発、やりがい、そもそも満足いく生き方なのかと・・・。
あくまで、1つの視点として考える切欠にしていただければ幸いです。

PS.
誤解なきよう最後に書きますが、私は監査というものを軽視するつもりは毛頭ありませんし、どこでその仕事をしても意義はあると思います。
大手監査法人中小監査法人それぞれに、役割と社会的意義があると感じています。
しかし基本的な役割と意義は同じという意味で、監査というスキルセットは非常に重要だと思います。
1人前に監査業務を行えることが、社会的意義のある仕事にもなり、かつ生活面でもセーフティネットにしてくれるのだと思います。(でないと、そもそも土俵に立てませんから・・・)

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