#75 ビジネスを見よ!!

監査の根本は「ビジネスリスク」という考え方

「もっとビジネスをみないとダメ」

こう言われたことを覚えています。
私もこの視点、大変重要だと思います。

会計の根本は「ビジネス実態を数字で表す事」と定義できます。
会計はビジネスを数値化する技術。監査はその数字を検証する学問であり手法。
つまりビジネスを捉えられなければ、会計で表現することもできない(間違って表現する)し、それを監査しても無意味。

会計監査を事象フローで置き換えると、
ビジネス:インプット
会計:アウトプット
監査:アウトプットの証明技術

とでも言えましょうか。

例えば会計基準に大変詳しくても、ビジネスを捉える力が足りなかったらどうでしょう?
後半部分の結果しか捉えられません。
学者ならば◎ですが、実務家となると??

他の見方でいえば、例えば監査では会計上の見積り(引当金とか将来の業績が会計処理に影響する論点)で、この力が大変効いてきます。
会計上の見積りは、いくつかの仮定やデータといった諸前提を用いて数字を組み立てますが、諸前提は基本最適なものを選択するので答えは幾通りもあり得ます。
もしビジネス実態とかけ離れた諸前提を使おうもんなら・・・摩訶不思議な結論が出ます。

怖いと思いませんか?

逆にしっかり捉えていると、監査の説得力は増します。監査がデキる人になれると思います。
ビジネスモデルを深く考察せよ。
ビジネスリスクを鋭く洞察せよ。
ビジネスの強み弱みを分析せよ。

これから会計士となる人に伝えたいですね。

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