#90 税理士登録しました:登録に至る背景

税理士登録してみたいと思っていた理由

それでも上記理由を除けば、税理士登録はしてみたいと思っていたのも事実です。
理由は以下です。

① 会計、税務、監査、経営など、三位一体的専門家への憧れ

監査法人では「会計と監査の専門家」ということでお仕事しますが、税務や経営も同時に話題が上がったり、論点が浮上したりします。
しかし、税務に関しては資格を持っていない以上入り込めません。
単なる雑談だとしても、説得力ある発信ができない気がしたのです。
ビジネスはそれぞれの分野の切り分けは、ある意味難しく(議論する時は便宜上切り分けるんですが)、総合格闘技のような様相を呈していると理解しています。
ある格闘技をしていたら、突然他の格闘技に変わるような。その時、突然自分の戦力が落ちるのは寂しいなと。

話が逸れますが、私は専門家としての深みは、何も1つの領域に深くなることばかりではなく、複数の領域を浅くとも広く通ずる形もあるのではと思うのです。
算数的に言えば、専門家としてのスキルは「深さ」ではなく「容積」が重要だという感覚を持っています。縦を伸ばす以外に、横を伸ばすイメージです。

② 自分自身の成長

監査法人では、会計及び監査は一通りの経験は積めたと感じた以上、自分自身の成長のためには新たな領域に通ずる必要があるなと。税務は会計のお隣業務なのでこれを学び経験を積むことは、お仕事としても一人間としても成長し、新しい景色が見えるだろうと思いました。

せっかく税理士登録できる資格を持っているのに、それにより自分も成長できる可能性があるのに、それを使わないのはもったいないなとも感じていました。

③ ポートフォリオの強化&将来的な収入安定性

現実的な目線で言えばこれです。

会計士業務はマーケット単価が高めな一方で、監査を除き水物の性質がある印象です。
一方の税務業務。通常の申告業務については、マーケット単価は低い場合があるものの(税務も様々な分野があるので、そうでない場合も往々にしてあることは承知しています)、法人個人が存在している以上必ず需要があり、景気影響は会計士業務とは少し異なる。
変化の激しい時代、数年後どう変わっているかも分からない時代に、ヘッジ的感覚をもったポートフォリオを作ることは、生き抜く上で重要だと思いました。
生活の守備を固めることは、チャレンジ環境の促進もしてくれそうです。
(守備を固めることは永続的な活動と攻撃態勢の基盤となる、は私の持論です。)

また、以前よりはスイッチングコストが下がったとしても、以前安定性は高めと見ます。
税務業務はAIに取って代わられる云々言われていますが、税の仕組みがこの世から消えるとは考えにくい以上、「税務書類の作成」業務は減っても「税務代理」や「税務相談」という仕事は残りやすいと考えました。 

「会計は淡々と記帳するだけの簡単な業務ではない。相談事項も実に多くあり、判断も理論だけで収まる単純なものばかりではない。」
というのは監査法人出身者なら分かっている事実です。
例えどこぞの雑誌やコメンテーターが「会計なんて単純業務だ」と言ったところで、簡単には煽られません。 
税務もその側面はあるはずだと私は考えています。となると安定性は依然としてあるなと。

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