#95 作る側(決算業務、税務申告)に立って

初体験:会計(決算業務サポート)、税務(申告書作成)

6月です。
会計税務業界の初夏はクロージングの季節です。
会計監査は有価証券報告書CKの真っ最中。
KAM文案も固まりつつまり、成果物たる「監査報告書」発行が目前。
税務は基本的には既にクローズを迎えていますが、申告延長している3月決算企業は6月が期限ですので、やはりクロージングの季節。
また1つプロジェクトが終わり、ホッとした気分になれる・・・それはチェック側だけでなく作成側もです。

さて、私の2022年上半期は「作成者側に立つ」という初体験をしました。
会計は決算サポートで、実際に仕訳を起こしたり(入力含む)注記資料を作ったり。
税務は主に申告書(法人・消費)の作成です。
どちらもありふれた業務で経験済みの方にとっては何てことないのでしょうが、実際に行うと私には異なった景色が見え。

今日はそんな話題を綴ります。

作成側業務を通じて感じた「頭の働き方の違い」

作成側業務開始直後、変な感覚を覚えました。
仕訳自体は慣れているので、作成は問題なく対応できるのですが、いざ作るとこれでいいのかなって。
「あ、受取利息にも源泉税かかるから、入金額=受取利息は間違いだな・・・」など、1本1本の仕訳に向き合います。
起票する際、税額入力する際、マウスのクリックを一瞬躊躇いました(笑)(大袈裟ですが)。

変な感覚を覚えたのは、私が監査経験がとても長かったからでしょうか。キャリア後半はマネジャーだったのでレビューが中心でしたし。
いや、それだけではない気がします。
作成側監査側で頭の働き方が異なるからでは?

見る側(主に監査)は「←」のイメージです。
結果重視。見下ろし型。

(全てがそうとは言いませんが)監査人が監査に入る際、試算表の入手から始まります。決算作業の視点でいえば結果です。
しかも、いきなり科目別の証拠資料検証に入るのではなく、時系列・科目間の関連性の目線(見下ろし)を入れるはずです。主な手法は比較(前期比較等)ですね。
試算表と言う結果がないと、期末監査はスタートしないのが基本的作法です。
そして、結果を見て当たりをつけながら(経験則もありますし、監査論でいう重要性やリスクという論理的手法も用います)検証を進めていきます。
監査人にはその思考回路が身についています。

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