#47 クライアントビジネスに向き合う経営未経験の会計士

ビジネスが色濃く反映される現代の会計と監査

現代の会計は、ビジネス、それも業績や将来の事を想起する必要のある場面が多いです。
会計ビックバン以来、ビジネスを色濃く反映させる会計基準が増えました
固定資産の減損、株式評価、繰延税金資産の回収可能性etc...
監査基準も、会計上の見積りが重要分野になり、ビジネスへの理解・センスがより強く問われています。
避けては通れない道になりました。
となると、会計士はビジネス(経営)にどう向き合い関わっていくか?が従前より問われていると思います。

公認会計士と経営

当事者としての経営経験を持つ会計士はそう多くはないと思います。
そんな中、我々会計士は企業とどう向き合うのか?
基本的で共通の課題かと思います。

個人でやれることと、業界で対応することの2つの切り口があるでしょう。

業界で対応するとなると、1人でも経験者を増やす施策でしょうか。
監査法人と企業が連携して人材交流をする。
監査人は経営を実感し、企業側は監査人による視点を学ぶ。
ここに双方のメリット、長い目で見ての発展があればよいのですが。(私は凡人なので具体的なメリットにまで落とし込まれるのか想像ついていませんが。。。)
監査人が、外部での経営経験後、監査業界に出戻ってもいいと思います。
出戻る際には、相応のポジションや報酬を与えます。でないと、戻りたくないですもんね。
ただ本来は楽しさ、やりがいがより必要だと思いますが、それらも満たされるのかが最も重要なんでしょうが。。。
また、非監査業務への関与や副業といった点も施策として思います。
しかし特に前者は規制が厳しくなっているので現実的に難しそうです。時代も変わっていますしね。

個人ではどうでしょう(どうしても精神論になってしまいますが)
ほとんどの会計士に経営経験を持たせるのは、現実的には難しそうではあります。
では、経営経験が然程ないからといって、議論の際に下手に出るべきか?となるとそれも違う気がします。
当然、然も知ってるかような言い方や、無責任丸出しな言い方もすべきではないです。
「監査会計のプロ≠経営のプロ」なので、ここは謙虚に学ぶ姿勢を持ちたい。
互いの立場を「リスペクト」し、知らない事への「謙虚さ」を持つ。
対等な立場で、双方の知見や思考を前向きな形で融合させれるといいのにな、なんて思いますね。
どれだけ企業を好きになれるか?当事者意識を持てるか?というのも重要な要素でしょう。(この点はまたどこかで記事にしたいと思います)

AI云々言われていますが、経営は間違いなく「人」によって行われています。
AIが完全に入り切ることのできない領域。
AIに取って代わると言われる会計士だからこそ、経営に対してのアンテナ・感度をもっと高めることが、我々の存在価値の向上にも繋がるといいなと思います。
健全な信頼関係を築くのは簡単ではありませんが、それを目指してやっていきたいと思います。

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