#46 (最新情報)KAM強制適用初年度の分析結果

KAM強制適用初年度(2021年3月期)の分析結果が、10/29に日本公認会計士協会より公表されました。
私もつい先日までガッツリ関与していたので、興味深くこれを読んでいます。
(とはいえ詳細にまとめられているので、まだ一部しか読めてませんが)

「「監査上の主要な検討事項」の強制適用初年度(2021年3月期)事例分析レポート」の公表について | 日本公認会計士協会 (jicpa.or.jp)

以下感想です。

① 思ったよりKAMの個数が少ない
連結ベースでのKAM個数は、1社当たり平均1.3個(KAM1個の会社は、1,494社/2,102社)のようです(個別は平均1.1個)。
早期適用事例では2個~3個だったので、少ないなぁ、という印象です。
売上規模の影響によるものとのことです。
根拠のない憶測ですが、早期適用会社はそれだけKAMへのアンテナも高く、(前向きにある意味マジメに)KAMを開示する会社が多かったような気もしますね。
さすがにゼロはほとんどないのですね(連結ベースで2社のみ)。
リスクの程度はさておき、KAMは相対的なものであるがゆえに「何某かあるよね」ということなのでしょう。
個別ベースの119社の多くはホールディングス会社なのではないかと感じます。

② 領域別はやはり見積り系
1位は固定資産の評価(のれんを含む)ですね(連結個別合計で、1,663個/5,404個の約30%)。
多額になりがちですし、M&Aすればのれんも突然&多額になりますし、償却期間の不確実性も考えれば、やはりといった感じです。
2位は収益認識なんですね。繰延税金資産or投融資評価が来るかなとも思ってましたが、収益は不正も絡む論点なので俎上となる会社が多いのでしょうかね。
3位以下は繰延税金資産を始めとした見積り系がしばらく続きます。
総じて見積り系がKAMのようです。トータル約70%。この点は予想通りといった感じです。

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