とある監査現場(半分フィクション、半分事実)
ちょっと以下のケースを考えてみます。
今日も物語風で。
半分フィクション半分事実です(笑)
新人のイトウくんは、N社の預金の監査をすることになりました。
入手予定の証拠は、以下のものを想定します。
① 外部証拠:直接確認による残高確認状
② 内部証拠:元帳、会社独自の預金管理表
さて、期末監査初日、まだ①の残高確認状が届いていなかったので、イトウくんは取り急ぎ②を確認することにしました。
そしたら・・・なんと試算表の預金残高と元帳及び会社独自の預金管理表の残高が一致しません。原因を会社に伝え調査してもらうも、どうも分かりません。
数日後、①残高確認状がやっと届きました。
確認すると、試算表と金額が一致しています。
その時、イトウくんはこのように判断しました。
「よっしゃー、金額が一致したぞ!内部証拠とは金額一致しないのはスッキリしないけど、外部証拠とは金額が一致した。外部証拠の方が証拠力強いのだから、残高は正しいということでOKだろうな。これでいこう。」
その日のランチ。イトウくんは同期のハセガワくんに一連の流れを話しました。
イトウ:「N社の監査では預金担当なんだけど、内部証拠と金額が不一致で原因も分からなくて困っててさー。そしたら残高確認状とは金額が一致して、本当ほっとしたよ。結論としては証拠力の強い外部の方を優先すべきだから、OKっていうことにした。一気に問題点が晴れた気がして気分がいいわー」
ハセガワ:「そーなんだ、良かったじゃん。ってか、そもそも外部証拠である確認状を入手する時点で、内部証拠との突合とかいらねーんじゃね???ちょっとでも作業効率化したいじゃん。俺だったら確認状が届くまで放置して、残高一致を一瞬で確認。数秒で終わらせるね!」