#112 今年のベスト1書籍「まちがったっていいじゃないか」

印象に残ったフレーズ

  • 本当に自分を大事にすることは、人間にとっては、なににもまして大事なことだ
  • 本当に自分を大事にする人間は、他人を粗末にしたりはしない。
  • 自分と違う人間、自分と違う考えとの間で心をかわすのが、やさしさである。
  • 他人の心を知ることがいかに不可能でも、相手の心を知ることができると信ずること、決して心の通い合いを断念しないこと、それが人間のやさしさだ。

  • 本当の自立とは、自分一人で処理するか、先生や親をあるいは誰か他人を頼りにするか、その判断を自分でするところにある。

  • やるなと言われたって、のめりこんでしまうのが本物だ。

  • 人間というものは、他人の理屈で納得することは、まずない。自分の考えで納得しなければダメだ。
  • 人間がその人らしく生きているさまというのは、すべて面白い。
  • 本当に自分を楽しんでおもしろく生きている人は、他人が見てもおもしろい。

  • いろんな才能だって、その人にしかない味を出せるのが最高だろう。
  • 「中学生らしく」とかいう言葉が嫌いだ。結局は、自分らしくあるのが最上だ。なにをするにしても、ああ、あの人らしいな、という。
  • 自分が自分であることは、ひとりではできない。もし人間がたったひとりで生きているものなら、個性という概念が意味を失う。大勢の人間の中にあってこそ、きみの個性というものも意味をもってくる。
  • だから、他人に見られることで、自分は育っていくものだ。

  • 秘密を守ることは、噓をつくことよりも上位のモラルに属する。
  • 何にもまして、自分だけは裏切ってはいけない。

  • 「上」ばかり向いていると、人間が偏ってしまうし、他人から学ぶことが少なくなる。
  • いじめている人間は、たいてい体制によっていじめられている、弱い人間だ。
  • 誰かをいじめるとしたら、それはきみの弱さだ。

  • 民主主義とは生意気になることだ。

  • いま苦労をしたら将来が楽になる、という言葉が嫌いだ。
  • 不確実な未来の安楽のために現在があるのではない。夢というのは、将来での達成で報いられるよりも、なによりも、この現在を生きるためにある。

  • 自由には責任が伴う、というのは2つのことが混線している。権限には責任がともない、自由には危険がともなう、が本当ではないか。
  • 自由であって、しかも安全というのでは、あつかましい。

  • 誰にも迷惑をかけてない、なんていばっている人間は、そんなことを言われるだけで迷惑だ。お互い迷惑をかけあっていると思いながら生きていく方がよい。
  • 大事なことは、自分が他人にめいわくをかけていることを、いくらかうしろめたく、いつでも自覚していられることであって、誰にも迷惑をかけていないと胸を張るのではなく、迷惑をかけた相手の心を思うことだ。

  • 誤るのがこわいというのは、自分に自信がないことでもある。
  • 誤りをバカにするのは、本の中でしか「正しい」ことを見たことがない人間だ。
  • まちがったら、やり直せばよいだけのことだ。まちがったっていいじゃないか。

  • 目指すのは、自分が「よい自分」であること。それだけで十分だと思う。

  • きみの人生を生きるのは、きみしかいない。きみのドラマにとって、他人たちはみな脇役だ。
  • そのドラマが、ほかのだれでもない自分だけのために用意されていることだけは、何よりも大事にしたい。
  • そうした自分の大事さを信ずることが、自信というものだと思う。
  • ただし、このドラマは自分ひとりで演じられるものではない。さまざまな人間たちの間でしか、このドラマは成立しない。
  • ぼくは、自分がなによりも大事だと思っているが、その自分のためには他人が必要で、したがって他人をとても大事に思う。それも、自分と意見が違ったり、好みが違ったりしてくれる他人がたくさんいてくれて、とてもありがたい。

  • 「相手の立場」などに、すぐに立てそうに言う人がいたら、それは思い上がりだと思う。おとなは子供の立場に立てないし、教師は生徒の立場に立てない。
  • 例えば、中学生についてのさまざまな問題に答えを出すのは、中学生であるきみたち自身よりない。きみが答えを選ぶよりない。

たくさん書き過ぎましたが。それだけ心に染みる本でした。

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