#34 iDeCoを呟く

自分で年金を作るiDeCo

iDeCoをご存じでしょうか?
個人型の確定拠出年金のことです。
公的年金だけでは老後の生活は苦しいですし、そもそも現行の公的年金制度はもはや破綻しているともいわれています。
そこで、公的年金だけに頼らず自分で将来の年金を作ってもらおうというものですね。

私自身、今日現在iDeCoをやっていないのですが、仕組みを読んでいてふと思ったことがあったので、それを呟きます。
iDeCoの詳細解説ではありませんので、ご了承ください。
なお、来年で40歳とキリも良いので、iDeCoには入ろうとは思っています。

iDeCoの一番のメリットは税金

さて、iDeCoの一番のメリットはなんでしょう。
それは、税制上のメリットだと考えられます。
主な点は以下の3つ。

① 掛け金が全額控除になる
② 運用益が非課税
③ 受取時の税負担も優遇がある

1つずつ詳細を見ていきます。

① 金額に上限はありません。つまりいくら掛けても、その全てが所得控除になります。
仮に所得税20%、住民税10%とすると、年間36万円(毎月3万円)拠出することで、
36×(20%+10%)=10.8万円
の税金が安くなります。
毎年10.8万円のキャッシュが実質お得になる。
もしこれを20年続けたら、毎年10.8万円×20=216万円節税になりますね。

② iDeCoは投資なので運用益があります。
一般に投資の運用益は、20.315%がかりますが、iDeCoはこの分がゼロ(非課税)です。 

③ 将来受取時の税金についても優遇があります。
どういうことかというと、受取方法には大きく2種類(一時金、年金)あるのですが、どちらにも税負担に優遇があります。
一時金受取の場合は退職所得控除が、年金受取の場合は公的年金控除が使えます。
どちらも一定金額以内は控除となります。

将来リスクをどう考えるか?

iDeCoは、総じてメリットが大きいものだと私は考えます。
①を中心に2桁パーセントレベルでの運用利回りがあることを考えると、かなりお得です。
60歳まで引き出せないという点が窮屈ではありますが、そもそも自らの年金のためにやっていることを考えれば、そういうもんでしょう。
(窮屈さが嫌な方はしない方がいいですね)

さて、iDeCoについては「早く始めて長く続けるのが良い」といった記事をよく目にします。
①②の理由を考えれば確かに。
しかし、本当にそう言い切れるもんでしょうか?
私に疑問がわいたのは次の点。

「何十年も先のことなど分からないじゃーん」

どういうことか?
①~③のポイントを、時間軸の視点で今一度見てみます。

①&②・・・その時の投資行動がその時の税制に影響する。つまり、効果は現在に起きる。
③・・・・・今まで(過去)の投資分が将来に影響する。つまり、効果は将来に起きる。

③が現在の話ではありません。
要は、前提が変わる可能性が大いにあります。
退職所得控除も公的年金控除も、控除額にそれぞれ上限がありますが、この上限がずっと同じ保証などどこにもありません。
5年後とかならそう大きく変わっていないと思いますが、40年後となるとどうなんでしょう?
2060年は高齢齢化率が40%近くと現在の10%程度上昇すると言われていて、確度もありそうです。
日本の税制は何かと変わっている可能性が考えられます。
早く始めることは、それだけ長期間の不確実性リスクに晒されることの裏返しです。
(リスクは可能性の問題であって、逆にリターンもあり得る。ここが難しいわけですよね)

じゃあどうすればいいんだ???です。
正直答えに困ります。
とにかく「将来は現在と同じではない」ということを念頭に置いておくことしか言えません。
そうすれば、より納得した行動を起こせるのではないでしょうか。
「③いっぱいまで掛けたらもしかすると」・・・というのを頭に置くとか。
これはiDeCoに限らず何でもそうだと思います。
物事は常に変わるものですから。
諸行無常の響きありとでもいいますか。
1つの事象を過信し過ぎないことも重要な気がします。

あまり防御しても面白くないですし、この辺りは自らの性格やポリシーを信じてやっていきたいですね。

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