#50 NFTと会計処理①

NFTとは??

最近「NFT」というワードが広まってきました。
みなさんもうご存じですか??
私は数日前まで全くと言って良いほど理解してませんでした。
「NFTって何?」です、正直。
「仮想通貨のお友達?」
「あ、とりあえずデジタル分野だよね!?」
こんな認識の方も多いと思います。

ただ近い将来、NFTがビジネス・社会を大きく変えると言われています。
少しずつでもこの分野、知っておきたいですよね。

そこで今回と次回に分け、
① NFTとはざっくりどんなものか?
② ビジネスシーンへの期待
③ 対応する会計処理
について書いてみます。

① NFTをざっくり理解

とりあえずまず日本語に訳してみます
(気持ち悪いので)。

NFT=Non-Fungible Token(ノン・ファンジブル・トークン)=代替不可能な資産

んー、イマイチ分かりません(笑)
これに対応するものとして、「FT」もあります。

FT=Fungible Token(ファンジブル・トークン)=代替可能な資産

そのままですね。
やはり分かりません。
ということで、NFTを理解するためにFTとの違いを交えてざっくり例示で示します。
理解するために2つの着眼点に分けます。
「代替可能不可能」「誰のものか?」です。

なお、NFTを理解するにあたり以下の本で学びました。
結構分かりやすくまとめられているので、入門書として良いと思います。

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【Ⅰ.代替可能or不可能とは】

例えば、AさんBさんともに10円の通貨を持っているとします。
これ、もし交換しても別に構わないですよね?
混ざってしまっても特に問題なし。
つまり10円という通貨は、両者間では「代替可能」なのです。
言い換えれば「唯一無二ではない」
この性質をもつ資産が「FT(ファンジブル・トークン)」です。

一方の時計。
AさんBさん共に、型式も年式も機能も全く同じ(型番が同じと言ってもいい)時計を持っているとします。
では、これを交換するとしたらどうでしょう?
ちょっとイヤじゃないですか?
いくら型番が同じといっても、自分が使っていて愛着とかもあるでしょうし。
つまり、ここでのAさんの時計とBさんの時計は「代替不可能」なのです。
言い換えれば「唯一無二である」
この性質を持つ資産が「NFT(ノン・ファンジブル・トークン)」です。

【Ⅱ.誰のものか?】

次に「誰のものか?」です。
先ほどの例で時計は「AB間で代替不可能」と言いました。
そうであるなら、AとBの時計はそれぞれ別モノとして既に認定されているのでは?
いやいや、ここで2つの時計、外観上は全く同じです。
もし誰かが勝手に置き換えても、本人達は気付かないかもしれません。
ポイントはここなんです。
名前でも書かない限り外観上は同じなので、代替可能ともいえる。なぜなら誰のものか識別できていないから。

一方のデジタル資産、こちらはどうでしょう?
外観は当然全く同じですし、外から印とかも打てません。そのままでは誰のものか当然識別できません。
これに「見えないハンコのようなものを押す」、これがNFTの特徴です。
A or Bというデジタル上のハンコ。
これにより「そのデジタル資産が誰のものか?」が分かるようになりました。

ⅠとⅡをまとめると、巷で言われているNFTは、
「NFT」=「唯一無二であるデジタル資産に、デジタル上のハンコで所有者を証明する技術」
ということになります。

このNFT、様々な業界でのビジネス展開が期待されているようです。
この点と会計処理については次回のブログへ回します。

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