#48 会計監査の在り方に関する懇談会に対して②

○ 現状のCPEはeラーニングのような形式かと思う。先日、CPEの不正受講があったように、eラーニングだけでは、ビデオを流してはいるが本当に勉強しているのかはよく分からないという事態もあるのではないか。抜き打ちの面談を行うなど、実際の理解度を測るような補足的な取組も必要ではないか。特に上場会社の経理を担当している企業内会計士には、CPEをきちんと受けてもらう必要がある。企業内会計士には、会計基準のアップデートとともに、監査基準の改訂についても十分に学んでもらう必要があると思う。

⇒ 実際の理解度を測るなど、実が得られる策の検討は理解できるのですが、抜き打ち面談っていう策はどうも・・・まるで子供扱いですよね。なんか主体性を削ぐようで好かないです(私自身、どんどん細かなルールになっていく事自体に抵抗があるというのもありますが)。

○ CPEの研修内容について、不正を見逃さない、不正に対応するという意味では、公認不正検査士の研修が参考になると思う。不正の心理についての研究成果もあり、米国の研修が相当程度輸入されているので、日本でも協会と公認不正検査士協会が協力して、公認会計士のCPEに使えるような研修内容に改訂できるのではないかと考える。現状のCPEでも不正のケーススタディーを取り上げているということだが、個々のケースを普遍的な理論と結びつけて習得することが大事だと思うので、公認不正検査士協会との協力も検討してはどうか。

⇒ 公認不正検査士の研修がどういったものか分かりませんが、研修そのものに参考となる点があれば、他の士業等と連携していくのは良い事かと思います。会計士に限らず、広い視野を持つことは大切だと思いますただ、建前重視&強制的な制度が増えていくことは反対です。

○ 審査会から、大手監査法人では非監査業務収入の割合が非常に高く、非監査業務を行うことが公認会計士としての人材育成にもつながっているといった内容のレポートが出ていたが、こうした点も大手監査法人と中小監査事務所の差がついている原因になっているのではないか。

⇒ レポートを読んでいないので意見する身でもないですが、果たして本当なのでしょうか?非監査業務が会計士の人材育成につながる点は同感なのですが、非監査業務への規制は徐々に厳しくなっていて、かつ副業も大手ほどしづらい環境を考えれば、むしろ逆では?とも。ともかく、非監査業務の存在が大手と中小の品質能力差になっているとは直感的に思えません。仮に原因だとしたら、どうしたらいいんでしょうかね??

○試験制度について、中長期的に考えるというのは先延ばしではないと理解しており、中長期的とはいえ今からでも検討すべきではないかと思っている。レベルの非常に高い公認会計士を選抜するための試験と、それから企業の経理担当の部長クラスを担えるぐらいの知識あるいは見識を持つ人材の試験というように、資格を2つに分ける試験が検討に値するのではないか。CPEについても、高度な監査基準までに至らなくとも、ある程度の上場会社の会計処理や監査についての知識を身につけるのであれば、それ相応のCPEの受講で足りる場合もあると思うので、そうした配慮も肝要と思われる。

⇒ これは先日のブログの意見(特に後半部分)をご覧ください。率直に言って、上記での2つの試験制度設計は反対です。どこか上から目線な感じがどうも・・・です。
公認会計士試験制度に関する議論

-その他キャリア, 会計と倫理・生き方, 専門知識・実務・お仕事