#2 会計士の仕事・・・表現と倫理観

最近、アーティストの方々(音楽、美術など)何人かとお話しさせていただく機会がありました。
私は、芸術は不得手で大して語れませんが、アートというのは作品を通じた「表現」で、それぞれの個性を存分に発揮した「自由な表現」をされてるなぁ、と素人ながら思いました。
作品を通じて魅力的な表現をされている。
私も学生の頃音楽をかじり、少しだけ作曲もトライしましたが、物事を表現することの難しさと楽しさを感じてました。

この「表現」というワードから自分の業務(会計士業務)に対してふと思うことがあったので一言。

「会計と表現」、これはあまり関係がなさそうですが、そんなことはないなと。

会計はその技術を使うことで、企業や個人事業の状況を数字を中心に「表現」しています。
会計に関与したことある方ならピンと来るかと思いますが、「1つの事象=必ず同じ答え(表現)」ではありません。
専門的に言えば、会計方針の選択とか基準の解釈とか。
つまり、「1つの事象 → 複数の表現」があり得ます。
また、ビジネスへの管理体制等に対しては、唯一無二の絶対解などあろうはずがないと思っています。
環境も異なりますし、企業や人の人格は全て異なります。
体制の構築方は(無理矢理、表現と訳します)様々です。

その意味で、私の仕事も、実は「表現力」が問われるものなんだろうな、と。

ただ、仕事の性質上、好き勝手な答えや表現をする訳にはいきません。
その時の拠り所は何か?

私の答えは2つです。

① 会計基準や税法などの法令
専門知識の習得や実務で研鑽します。
これは当たり前かもしれません。

② 倫理観
最近改めてこの観点が重要だと感じました。
特に答えが1つでない問題に対応する時にしっかり持っておかねばならない点だなと。普遍的な拠り所でしょうか。

「法令さえ守ってればいいんでしょ」
「正しいことやってんだから何だっていいでしよ」

どこか悲しい。
もちろん綺麗事だけで通るものではありませんし、それを使った方がいい時もあると思います。
ただ、やってる事が「倫に背いてないか?」の意識は常に持っておきたい。
特に長い目で見た時に、その観点はすごく大事な気がします。

会計士試験や監査基準等でも「職業倫理」はありますが、どうしても他の専門知識を優先しがちですし(別に必ずしもそれがおかしいとは思っていません)、日々の仕事が忙しいと振り返る事も忘れてしまいます。
それに座学だけでは学びづらい気がしますので、本当の意味での習得は簡単ではないかもしれません。
(監査基準で規定される職業倫理については、また別のブログで思うことを書いてみたいと思います)

会計もいわば「芸術」なのかもしれません。
だからこそ、会計士として業務にあたる際、特にアウトプット「表現」する際には②は意識し続けたい。
続けなければならないと感じます。
会計士である前に、1人の人間として。

かく言う私も全然できてないと思います。
これからも日々精進です。

・・・そして、もうちょっとだけでいいからアートセンスを磨きたい、、、特に絵を上手に描いてみたいですね(笑)

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