#26 公認会計士法第1条を考える

公認会計士法第1条を考えてみる

前職時代の上司がお話しされていた言葉が心に残っています。
「公認会計士法第1条はなんだかんだ重要だと思うんだよね」
その時は意味するところを質問せず流れてしまったのですが、この条文は会計士が持つべき普遍的なポリシーを端的に表しているとも考えられます。

まず①監査及び会計の専門家であるということ。
公認会計士は色々な業務を行えるのは確かですが、基本はここにある。
ここからスタートしている職業なのでしょうね。

次に③情報の信頼性を確保の点。
会計は企業活動の重要な情報といえます。
作る側(経理担当者等)にいても、固める側(監査人)にいても、利用する側(M&A等のコンサル)にいても、情報の信頼性が担保されるような業務を行われなければならない。
「正しく作る、正しく監査する、正しい形で利用する」
といったところでしょうか。

さて戻って、②独立した立場。
監査に独立した立場は超基本的なスタンスですので、①である以上②は当然なのでしょう。
ただ、私は後で出てくる④もどこか関係している気がするのです。
経済(資本市場)は様々なプレイヤーで構成されていて、それぞれが必要な存在。
つまりどれか一者だけを見ればいいというものではない、ということを言っているようで。
現実にはその時関与している業務によって軸足が変わることはあると思いますが、頭のどこかで各関係者を思い浮かべることが大切なのかなと。
これは監査業務に限った話ではないような気もしますね。
④の具体的なプレイヤーは「企業」「投資家」「債権者」。
特に企業と投資家の二者にどう向き合うか?というのは伝統的な議論でしょう。
監査業務を行う場合など考えさせられる論点。
私も高尚な答えなど持っていませんが、とにかくそれぞれの立場を想像することから始まるのかなと思ってここまでやってきています。

最後に、⑤国民経済の健全は発展に寄与。
詰まるところはこれなんでしょうね。
やっている仕事が、直接でも回りまわってでも、経済発展と国民の発展に繋がっているのかどうか。
①~④を意識した仕事をすれば自然と⑤になるといっていいのではないでしょうか。

会計士は様々なプレイヤーに囲まれ様々な仕事がありますが、心構えの基本の1つとして、この条文をたまには思い出すのもいいのかな、なんて今日のブログを書いていて思いました。

それでは。

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